「ちょっと、そこの“おソース”とって」「じゃあ“おビール”を一つちょうだい」

 日常会話で頻繁に聞こえてくる「お」つきの言葉。ごく自然に聞こえるものから、それに「お」をつけるのは少し変かも、という言葉までさまざまだ。先月発表された文化庁の『国語に関する世論調査』によると、「(お)菓子」「(お)皿」「(お)弁当」などの言葉には「お」をつける人が多数派で、「(お)かばん」「(お)手紙」「(お)薬」などは「お」をつける人が少数派だった。う〜ん、なるほど。

 ここで疑問が。正しい日本語として、いったどの言葉に「お」をつけるのが適切なのか。著書『仕事のマナーとことば遣い』などで知られ、ビジネスシーンのことば遣いに造詣の深い株式会社マネジメントサポートの古谷治子社長にお伺いしました。

 「名詞の頭に『お』をつけるのは丁寧語の一部である『美化語』だと呼ばれています。ただし、あまり『お』を使いすぎるとかえって品位を失う可能性があります。ビジネスシーンにおいて過剰な使用は避けたほうが良いでしょう」(マネジメントサポート 古谷治子社長)

 文化庁の調査によると男性に比べて、女性のほうが「お」をつける傾向にあるよう。しかし、古谷さんは「今後ビジネスにおいては顧客満足のため、丁寧語としての美化語を使う頻度が多くなり、男女の差は今後少なくなっていくのでは」と予想する。どの言葉に「お」をつけるべきか、実は文化庁も指標を示していない。どうやら「お」をつけるか否かは個人の裁量に委ねられているようだ。と言っても、自由でいいよ、と言われても指標は欲しいところ。ちなみに古谷さんはどの言葉に「お」をつけます?

 「お」をつけて言う→「お菓子」、「お弁当」
 つけることもつけないこともある→「酒」、「米」、「皿」、「茶わん」、「酢」、「天気」、「薬」、「手紙」、「かばん」
 「お」をつけない→「紅茶」、「ソース」、「ビール」、「くつした」
(マネジメントサポート 古谷さんへのアンケート結果)

 ちなみに古谷さんは相手の所有物には「お」をつけることが多いが自分の所有物にはつけない、とも。う〜ん、日本語は奥深いですね。皆さんはどの言葉に「お」をつけますか? 個人差があるので気の合う仲間でアンケートをとってみて比較すると楽しいかも。(梅田カズヒコ/verb)

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