【ファンキー通信】都会でもタヌキが見られるかも!?

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 会社の帰り道“ササッ”と道を横切る黒い影。「ネコか? いや、もっとまるまるとしてたような・・・犬でもないし・・・」、もしかしたらそれはタヌキかもしれない。

 「23区すべてにタヌキは生息しています。練馬区、杉並区、世田谷区といった西部地域での目撃情報も多いのですが、新宿区、千代田区、中央区といった『大都会』でも生息が確認されています」(NPO法人都市動物研究会理事の宮本拓海さん)

 宮本さんが理事を務める都市動物研究会では都市部の動物の調査や自然観察会などの活動を行っており、特に東京23区内での生息実態調査に取り組んでいる。

 都会にタヌキ、なんとも妙な組み合わせである。環境や食料のことを考えてみても、タヌキが都会で生活することができるのか、疑問である。

 「タヌキは雑食性で昆虫、ミミズを含む小動物も食べますし、果実などの植物性のものも食べます。これはとても柔軟性のある食糧戦略で、都市での生活には好都合なものです。タヌキの本来の生息地は里山や森林です。でも都会で暮らすタヌキたちも都会の環境に見事に適応している、と私は考えています」(同)

 新宿アルタ前に現れてニュース番組で取り上げられたり、さらには皇居にも生息しているという。はたまた『萌え』で話題の秋葉原でも目撃情報があるし、早稲田大学の大隈庭園にもいるとかいないとか・・・。

 「公園や庭園など緑地があるところに生息しています。さらに開園時間が限られている庭園などは、タヌキにとって好環境といえるでしょう」(同)

 なるほど、やはりタヌキは緑が多くて人目につかない場所がお好きなようだ。そのせいか、タヌキは簡単に見つけられるような動物ではないという。もし幸運にもタヌキに出会えたとしたら、宮本さんが提唱するタヌキと出会ったときの3原則をしっかり守ることが重要だ。

 それは(1)近づかない (2)騒がない (3)食べ物を与えない。タヌキの暮らせるような環境を守るためにも、この原則は守って欲しいと宮本さんは語る。(加藤克和/verb)

※都会でのタヌキの目撃情報はこちらまで
 NPO法人都市動物研究会
 urban_wild@car.ocn.ne.jp

■関連リンク
東京タヌキ探検隊! - 文中でコメントを寄せた宮本さんのWebサイト