19日、都内でソニーが発表した今秋発売のハイビジョン画像で撮影できる家庭用ビデオカメラ(撮影:吉川忠行)

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ソニー<6758>は19日、松下電器産業<6752>と共同開発したビデオ規格「AVCHD」を業界で初めて採用し、ハイビジョン画質で記録・再生できる家庭用ビデオカメラ2機種を9月から順次発売すると発表した。

 DVDビデオカメラの記録媒体として普及している8センチDVDを使用する「HDR-UX1」は、4種類のディスクに対応しており、2層書き込めるディスク「DVD+R DL」使用時には片面に最長1時間のハイビジョン映像が記録できる。30ギガバイトのハードディスクを内蔵する「HDR-SR1」は、最長11時間の映像が録画可能。手持ちのパソコンに専用ソフトをインストールすれば、カメラ本体のボタンを押すだけでDVDに記録映像をコピーできる。

 ソニーによると、「HDR-UX1」は9月10日に発売し、初月の出荷は3万台、10月10日発売の「HDR-SR1」は当初2万台出荷するとしている。店頭価格はオープンだが、「HDR-UX1」が17万円前後、「HDR-SR1」が18万円前後を見込む。

 家庭用ビデオカメラ市場で、2005年の世界販売台数は750万台、うち約40%をソニーが占有している。同社は、03年から微減傾向にある国内市場を06年で前年比2%減の145万台と見込んでいる。「通常の3、4倍の需要がある」(鹿野清・ソニーマーケティング常務)という秋の運動会商戦に向けて、ハイビジョン画質の新商品を投入し、市場をテコ入れしたい考え。

 同日、東京都港区の品川プリンスホテルで開いた発表会で、中川裕執行役は「年末には出荷のうち50%をハイビジョン対応にしていく」とハイビジョン化への戦略を強調。今秋に投入する次世代ゲーム機「プレイステーション3」など次世代DVD「ブルーレイ・ディスク」に対応した機器との互換性の高さを示した。【了】