14日、都内で「ゼロ金利政策」の解除を発表する日銀の福井総裁(撮影:常井健一)
日本銀行の福井俊彦総裁は14日、東京都中央区の日銀本店で開いた記者会見で、2001年3月から短期金利を0%に抑え込んできた「ゼロ金利政策」の解除を決定したと正式に表明した。約5年4カ月ぶりに金利が復活する。
 
 即日、金融政策の目安である短期金利の誘導目標を0%から年0.25%に引き上げ、公定歩合も現行の年0.1%から0.4%に引き上げた。

 日銀が同日開いた2日目の金融政策決定会合で、9人の政策委員(正副総裁3人と審議委員6人)の過半数が「景気は緩やかに拡大している」「先行きについても景気は緩やかな拡大を続ける」と判断。議長の福井総裁が解除を提案し、賛成多数で解除を決めた。

 会見で、福井総裁は「日本経済全体が10年以上の努力によって、大変厳しい状況からより正常な状況に前進した」との認識を示した上で、判断理由について「経済、物価が今後とも望ましい経路をたどっていくためには、この際金利水準の調整を行うことが適当である」と述べた。今後の金融政策については「連続利上げの意図はない」とし、低金利を維持する考えを強調した。【了】