11日に日本財団ビルで始まったTシャツアート展の様子。(撮影:東雲吾衣)

写真拡大

デザイナーやアーティストが制作したオリジナルTシャツを展示販売し、収益金の一部をドメスティック・バイオレンス(DV)の被害者支援団体に寄付するイベント「Tシャツアート展」が11日、東京都港区の日本財団ビルで始まった。15日まで。

 DV被害者の相談や自立支援を行う「ウィメンズネット・サポート」(WNS)が主催する同イベントは、Tシャツという身近なアイテムを使って、1人でも多くの人にDV問題に関心を持ってもらうのがねらい。Tシャツ1枚の売り上げにつき500円が支援団体に寄付される。

 今回のイベントの合い言葉は「子どもたちに暴力のない社会を」。DVは、主に夫から妻に向けられる暴力を言うが、それを目撃した子どもの心にも大きな傷を残す。「特別な家庭の特別な問題」としてとらえられやすいDV問題だが、「決して人ごとではない」と話すのはWNSの中山洋子さん。「子どもたちを守るためには、周りの大人たちもDV問題を“自分にも関係あることだ”と意識することが大事」とアート展の意義を説明している。

 展示会には50人のアーティストやデザイナーが参加。70種類、1000枚以上のTシャツが展示販売されている。参加したアーティストのひとり、映像ディレクターの竹浪明さんは、のら猫の兄弟がじゃれ合っている写真をプリントしたTシャツを制作。“自然”というテーマを「家族の問題、DVを解決するヒント」としてデザインに込めた。竹浪さんは「自然の中で“のびのびと生きているのら猫たち”の姿が、人間同士の本来の関わり合いを思い出させてくれる」とデザインの意図を説明している

 Tシャツは、男性用・女性用それぞれのフリーサイズ2種類で3500円から4500円。会場では、13日にチャリティーコンサート、14日にDV問題についてのシンポジウムが開かれる予定。問い合わせはWNS事務局(電話:03-5426-6767)まで。【了】

■関連記事
DV問題 後進国ニッポン(最終回)
暴力の連鎖防ぐ 加害者更正(連載第3回)
暴力が暴力を生む "DV"問題(連載第2回)
妻を殴る夫たち DV問題を探る(連載第1回)

■関連リンク
Tシャツアート展「Stop DV チャリティ」