20日、都内で開かれたオリックスの定時株主総会(撮影:常井健一)

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オリックス<8591>は20日、村上ファンドに運用を委託している資金が2006年3月末時点で約200億円に達することを明らかにした。05年3月末時点では107億円だったことから、1年でほぼ倍増した。同日、東京都港区の同本社で開かれた定時株主総会で、藤木保彦社長が株主の質問に答えた。

 藤木社長は、総会で質疑応答に入る前に、村上世彰容疑者の証券取引法違反事件との関与を否定。村上ファンドの中核企業「MACアセットマネジメント」(5月に廃業)から資本と派遣していた非常勤役員2人の引き上げを5月下旬までに完了したことを報告した。

 株主のひとりから村上ファンドへの拠出金について質問が出ると、藤木社長は「総資産7兆円のうち、約7000億円の『有価証券投資』があり、その一部という認識」と答え、今後の対応については「適切に判断するが、現在はまだ決まっていない」と述べるにとどめた。

 また、村上ファンド事件の発覚から低迷が続く株価について株主から不安の声があがると、藤木社長は企業価値の向上に取り組む姿勢を強調した。

 同総会は1時間18分に及んだ。参加した株主は昨年より50人多い約160人で、質問者数はのべ5人。議長は藤木社長が務め、宮内義彦会長からは今後の経営課題について3分程度の説明があったのみで、特に発言はなかった。一部株主から反対の声があった取締役選任を含む全3議案が賛成多数で承認された。【了】

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