写真は現在の哺乳びん 画像提供/ピジョン株式会社

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 皆さんも小さい頃、お世話になったであろう哺乳瓶。粉ミルクやしぼった母乳を飲ませる時などにに欠かせないアイテムの哺乳瓶だが、「限りなくお母さんのおっぱいに近い」哺乳瓶をつくるために女性のおっぱいを吸いまくった社長がいたのはご存じ?

 彼の名前は仲田祐一(故人)さん。なんとあの育児用品メーカー「ピジョン」の創始者だという。昭和24年に発売した日本初のキャップ式広口哺乳瓶が思うように売れず、傾きかけていた会社を救うべく仲田氏が起こした行動がなんと、“おっぱい行脚”。昭和30年代の約6年間にわたって、女性のおっぱいを吸っては研究データを集めていたという。

 ・・・仲田氏はそんなにイケメンだったんですか? 1000人に近いってスゴイですよね・・・。

 「それはですね、仲田は出産経験のある水商売の女性に応分の謝礼をお支払いして、おっぱいを吸わせてもらっていたのです。もちろん名刺を渡して、身分と目的を明らかにしてからです。仲田にとっては、真面目な研究の一環だったんですよ」(ピジョン広報)

 そんな仲田氏の一風変わった“おっぱい行脚”は、当時のマスコミに“おっぱい社長奮戦す”、と大きく取り上げられたんだそう。おっぱいを吸った後に大事なのは、彼が頭の中にその感触を残して改良につなげることだ。哺乳瓶の乳首はゴムの硬さや質感、また口に含んだ時の感覚、大きさや伸びなど、実に複雑な要素で作られている。改良に改良を加え、「限りなくお母さんのおっぱいに近い」哺乳瓶は、こうして作られていったのだ。同社は現在も哺乳瓶の研究を“科学的”に続けている。

 「仲田はとても研究熱心な人でした。女性に訴えられたこと? もちろんないでしょう(笑)。哺乳瓶以外にも、仲田はたくさんのベビー用品を次々と開発したんですよ」(同)

 赤ちゃんはきっとこの世で一番、難しい消費者だ。ちょっとでもゴムが厚かったり、先っぽの部分の伸びが甘かったりすると、口にくわえてさえくれないんだそう。話が聞けないだけに、赤ちゃんになったつもりでおっぱいを吸いまくった仲田氏の行動には、感心させられるばかりだ。(verb/平田桃子)

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