今年も熱中症の季節がやってくる。日本気象協会(本社・東京都豊島区、松尾道彦社長)は30日、同協会ホームページ内の無料情報サイトで、予防に役立つ情報を開示すると発表した。開示期間は6月1日から10月31日まで。

 同協会は、全国867の予報地点で測定した「人体への暑熱ストレス」表すWBGT値と指標、対策を気象情報サイト「tenki.jp」に開示する。指標は、1999年に日本体育協会が定めた「熱中症予防のための運動指針」に則った「運動は原則中止」「厳重警戒」「警戒」「注意」「ほぼ安全」の5段階。48時間先までの情報が1日5回更新される。また、1週間先までの情報は1日3回の更新。

 95年の猛暑で20人以上が熱中症で死亡した。熱中症の死亡者数は、その後3年程は10人前後で推移したが、99年以降、毎年20人前後が死亡している(厚生労働省調べ)。熱中症の原因である暑熱ストレスは、気象因子により左右されることから、同協会は、総合数値予測システムによる気象予測資料に基づいてWBGT予報値を算出、予防に役立つ最新情報を提供するというもの。

◇WBGT値による指標と対策◇
WBGT値指標対策
31以上運動は原則中止WBGT31℃以上では皮膚温度より気温の方が高くなる。原則として運動を中止する。
28以上31未満厳重注意熱中症の危険が高いので激しい運動や持久走などは避ける。運動をする場合は積極的に休息をとり、水分を補給する。体力の低い人、暑さに慣れていない人は運動を中止する。
25以上28未満警戒熱中症の危険が増すため、積極的に休息をとり、水分を補給する。激しい運動では30 分おきくらいに休息をとる。
21以上25未満注意熱中症による事故が発生する可能性がある。体調に注意しながら運動の合間に積極的に水分を補給する。
21未満ほぼ安全通常は熱中症の危険は少ないが、水分の補給は必要。市民マラソンなどではこの条件でも熱中症が発生するので注意する。

 ◇WBGT・・・Wet-Bulb Globe Temperarure(湿球黒球温度)の略。気温に湿度、風速、輻射熱を加えて総合的に評価した指数で、単位は℃。【了】

■関連リンク
日本気象協会
厚生労働省熱中症による死亡災害発生状況)
日本体育協会熱中症予防のための運動指針)