画像提供/仏教エンターテイメントウェブサイト【彼岸寺】

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 お寺は初詣の時にしか行きません〜、なんていう人が増えたこの時代。いくら歴史のあるお寺だって、人々が離れてしまったら、永遠に存在できるワケじゃないんです! という事情があってかどうかは知りませんが、最近お寺には新たなるムーブメントが起こっているんです。

 例えば、境内でコンサートを開いたり、介護施設を運営したり。さらには劇場を併設したり、敷地内に温泉が湧いているお寺まで・・・って、もちろん全部が全部同じ理由によって企画されたものではないと思いますが、一体どうしてこんな活動をしているのでしょう? もしかして、お寺の経営が苦しいとか!? ユニークな取り組みに力を入れ、「お寺カフェ」が人気を呼んでいる光明寺の方にお話を伺ってみました。

 「私たちは境内を利用して『神谷町オープンテラス』という、誰でも気軽に立ち寄ることのできるスペースを無料で提供しています。もともと都心のオフィス街という場所柄、なかなかお寺を訪れる人がいなかったんですが、カフェのようにお洒落な空間を作ることで、そのスペースを通じてお寺に親しんでもらえれば、という想いで始めました」(仏教エンターテイメントウェブサイト【彼岸寺】住職 松本圭介さん)
 
 とはいえ、単なる場所の提供に止まらず、テラス内は無線LANスポットも完備。飲食の販売はないものの、持ち込みは自由で、希望すればお茶や和菓子が振る舞われるという。ちなみに代金の代わりは、帰り際に気持ちとともに本尊へお参りすること。んー、てっきりお寺のお台所事情が絡んでいるのかと思ったんですが・・・。

 「こうした活動の背景には、かつて寺院が果たしていた地域のコミュニティ機能を取り戻そうという意図があるのだと思います。戦前の寺院は、地域のよろず相談所であり、人の集まる場所であり、また、子どもたちの教育の場(寺子屋)でもありました。しかし、現在の寺院の活動は、ほとんどが葬儀や法事。お金は入ってくるが人は集まらないという状況です。新しい活動を試みるお寺が増えているのは、こうした事情があるからではないかと思います」(鎌倉新書 月間「仏事」副編集長 薄井秀夫さん)

 同氏によると、経済的な事情で始めているケースはほとんどなく、むしろ経済的にはマイナスになることのほうが多いのだとか。

 「お金にならなくても、人のためにどれだけのことをしたかが、お寺の価値。今はすぐ答えがでなくても、お寺の繁栄はそうしたことの積み重ねでしか得られません。新しい活動を始めるのはもちろん素晴らしいこと。もっと地域の人、檀家の人と話す機会、一緒に何かを成し遂げていく機会や遊ぶ機会、学ぶ機会を増やしていくことにつきますね」(同 薄井さん)

 お寺の存続にはさまざまな努力が必要なんですかね〜。(清川睦子/verb)

■問い合わせ先
・仏教エンターテインメントウェブサイト【彼岸寺】 
Eメール:info@higan.net
・鎌倉新書 
電話:03-3662-2256

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