27日、環八通りの全線開通を祝う記念式典でテープカットを行う石原慎太郎都知事(中央)ら(撮影:吉川忠行)

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東京都が50年かけて整備を進めてきた東京都市計画道路環状第8号線(通称環八通り)最後の未開通区間4.4kmが完成し、全44.2kmが28日正午に全線開通する。開通を明日に控えた27日、記念式典が開かれた。

 環八通りは終戦直後の1946年3月に「戦災地復興計画方針」により計画され、56年に着工した。東京都南部の大田区羽田空港から北部の北区岩淵町まで、東京の西側を半円状に結ぶ。環状道路の全線開通は、85年の環状第7号線以来21年ぶり。総工費は5000億円で、都は完成により交通渋滞の緩和のほか、震災時に避難路や延焼を遮断する役割などが見込めるとしている。

 今回開通する区間は、杉並区井草3丁目から練馬区高松1丁目間の約2.2kmと、同区北町4丁目から板橋区相生町間の約2.2kmの計4.4km。94年度に着工し、11年かけて完成した。都によると、練馬区内の南田中トンネルを半地下構造にするなど、構造面で沿道の環境に配慮したという。

 板橋区で行われた式典の席上、石原慎太郎都知事は「(全線開通までに)50年もかかった」と感慨深げに語った。また、2016年に行われる夏季オリンピックの招致や、東京を成熟した街へ発展させるために「東京圏における幹線道路がいかに大事かを皆さんに認識を持ち直していただきたい」と述べ、今後の幹線道路整備への理解を求めた。【了】

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