「うさぎは寂しいと死んじゃうんだよ!」とは有名なドラマのセリフ。最近、離婚した中年男性がウサギのように寂しく死んでしまうという「離婚死」が話題になっているのをご存じだろうか?

 今年の2月に「配偶関係別にみた心疾患―脳血管死亡」という調査結果が厚生労働省から報告された。この調査によると、ストレスと関係性が強い心筋梗塞による死亡率は、妻がいる男性に対し、離婚した男性は約3倍となるというのである。

 間接的であれ、離婚が心筋梗塞の原因になるということだ。なにしろ、離婚から生じるストレスは大けがや刑務所への収容よりも大きいという研究結果があるくらい。「最近、妻とうまくいってない・・・」というあなたにとっては、ちょっとドキっとする結果ではないだろうか?

 そんなあなたのために、離婚しないで済むための方法を専門家の方に聞いてみた。夫婦と女性のカウンセリングを行う「@はあと・くりにっく」の臨床心理士である西澤先生だ。

 「まずは、相手のどこに惹かれて交際を始めたのか思い出すことですね。これは二人をくっつける理由となるのと同時に、相互の意識の違いからくるトラブルの原因解明にもなります。また、相手の話をよく聞くこと。相手は何をしてもらうと愛されていると感じるのかを相手の発言から探り、話し合うことが大切です」(西澤先生)

 なるほど、やはりコミュニケーションの基本、相手への理解が必要ということだ。では、離婚の危機を表すシグナルというのはあるのだろうか?

 「相手の挙動に『何か変だ』と感じることはありませんか? 多くの場合、『更年期だろう』などと理由をつけたり、気づかないふりをしてしまいます。これではメッセージを見落としてしまいます。また、具体的な兆候でわかりやすいのは、セックスレスや会話レス、視線を合わせない、一緒にいる時間の減少や一緒にいるときの物理的距離の増大などです。いずれも、通常は急に変わるというより、少しずつ頻度が落ちていくので見落としやすいものです」(同)

 離婚の危険信号も、問題解決の糸口も、けっこう身近なところにあるようだ。なによりも大切なのは相手を思いやること。それは奥さんのためでもあり、自分のためでもある。そして心筋梗塞で命を落とさないためにも大事なのである。(加藤克和/verb)

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