マツダが23日に出光興産(上)と岩谷産業に納入した水素ロータリーエンジン車「マツダRX−8ハイドロジェンRE」。(提供:マツダ)

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マツダ<7261>は23日、水素でもガソリンでも走行できるデュアルフューエルシステムを採用した水素ロータリーエンジン車「マツダRX-8ハイドロジェンRE」を、先にリース契約を交わした出光興産と岩谷産業<8088>の2社に納車した。水素とガソリンの両方を使用できる内燃機関を搭載したリース販売車両の導入は、世界で初めて。

 マツダは2月15日、「RX-8ハイドロジェンRE」を、燃料電池車などの研究・開発を行っている出光と岩谷の2社にリース販売することで契約に合意した。リース期間は水素関連部品の耐用年数の関係で30カ月。リース価格は、現在国内でリースされている燃料電池車のほぼ半額となる消費税込みで月額42万円。

「マツダRX−8ハイドロジェンRE」は、デュアルフューエルシステムの採用によって、運転中に運転席でのスイッチ操作で水素燃料からガソリンへの切り替えが可能。水素燃料が切れた場合は、走行中に自動的にガソリンに切り替わるため、水素ステーションなどのインフラが未整備の地域でも高い利便性を発揮する。ガソリンから水素燃料への切り替えは走行中にはできない。水素走行時のCO2(二酸化炭素)排出量はゼロ、NOx(窒素酸化物)もほとんど発生しない優れた環境性能を持ちながらも、内燃機関特有の自然なドライビングフィールを両立している。 

 開発担当主査の柏木章宏氏は「水素・燃料電池実証プロジェクトに参画、水素エネルギーの活用に向けて熱心に取り組んでいる両社へ、はたらくクルマとして水素ロータリーエンジン車を納車できたことに大きな喜びを感じている」と喜びを表明。「実際にお使いになるお客様からのご意見を頂きながら、水素ロータリーエンジン車のさらなる性能向上を目指して開発を進め、より環境に優しい水素エネルギー社会の実現に貢献していきたい」と、将来に向けた抱負を語った。

 マツダは、2003年の東京モーターショーで「RX-8水素ロータリーエンジン」開発車を発表、04年10月には開発車両の国土交通大臣認定を取得し、公道走行試験を重ねて実用化に向けた開発を進めてきた。同社は05年2月10日、「RX-8ハイドロジェンRE」で国土交通大臣の認定を取得、開発車両の発表から数えて29カ月間で実用化に成功した。【了】

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