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バザールに芸術の香り。掘り出し物も=東京・池袋(下)

バザールに芸術の香り。掘り出し物も=東京・池袋(下)
立大漫画研究会による「似顔絵」が300円の安さから、大勢が順番待ち。18日、池袋西口広場の『モンパルナスバザール』の会場で。(撮影:穂高健一)
【PJ 2006年03月20日】− (上)からのつづき。西口公園前のFCコーヒー店『プロント』がバザーに参加していた。二十代の女性店員ふたりが、ホットドックを売り込む。ふだん来店した客の対応に終始するだけに、呼び込みは大変で、難しいと語っていた。アイスは焙煎コーヒーで、飲みやすいのが店の特徴のようだ。「外でアイスを売るには、きょうの気温は低すぎます。いま現在、ホットコーヒーが30個、アイスは10個の売り上げです」と責任者が数までも教えてくれた。

 『創形美術学校』では新三年生が、それぞれ作品を持ち寄っていた。水彩画は古川智也さん、創作Tシャツは鈴木のぞみさん、ポストカードは増渕みな子さんの三人で、ともに『表現コミュニケーション』が専攻だった。作品のほかに、古着も並べて売る。理由を聞いてみると、7月に開く展覧会の資金集めだという。黄色いTシャツが100円で一枚売れると、三人はことのほか喜び、お客に愛想の良いお礼をいっていた。

 芸術家たちが集まる『モンパルナスの会』では書籍を売る。『としまの村ばなし』『かるた絵本』『焼かれた絵本』『池袋モンパルナスそぞろ歩き』などが並ぶ。プロ画家の佐藤一夫さん(同会の運営委員)がやってきた。テントのなかは一段と芸術談義の場のような雰囲気となった。

 同会の広部敏政さん、大崎博さんから、池袋モンパルナスの説明を受けた。「戦前の池袋は西口から椎名町にかけて沼地で、家賃が安い土地だったんですよ」と前置した。家主たちは居住空間を狭くし、アトリエを作り、芸術家たちを呼び込んだことから、芸術家の卵や文化人が数多く住んでいたという。

 赤狩り、治安維持法、出征などと暗い暗黒の時代だったけれど、それでも若者は夜になると街に出て酒を飲み、芸術を語っていた。こうした若者たちの行動から、小熊秀雄氏が巴里の裏町にあるモンパルナスをなぞらえ、「ここは池袋モンパルナスだ」といったのが始まりだと教えてくれた。

 『モンパルナスの会』ととなりでは『往来座』が古書を売る。さらには八海堂書店が『モンパルナスギャラリー』という看板を上げ、絵画の展示販売をおこなっていた。

 バザールの「本部」に立ち寄ってみたが、出店名簿や販売資料など何一つなかった。バザールの出店者たちから個々に聞いた意見を総合すると、今後の街づくりの方向としては「商業的な池袋の発展」よりも、「芸術の香る池袋」を追い求めたいという文化的な精神がうかがえた。【了】


※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 穂高 健一【 東京都 】
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