画像提供:株式会社シェイプアップハウス

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 「人を見た目で判断してはいけない」とよく言うが、先日、アメリカでその言葉を覆してしまう、驚くべき研究結果が発表された。研究を行ったコロラド大学の経済学者であるNaci Mocan氏と、ジョージア州立大学の同じく経済学者であるErdal Taken氏によると、「容姿の劣る十代の若者は、犯罪者になる傾向がある」とのこと・・・って、いくらなんでもひど過ぎやしないか? 容姿の美醜だけで人の将来決めるなよ!

 誠に信じがたい結果であるが、実はこの研究プロジェクト、連邦政府からの資金援助の下に行われた大掛かりなもの。対象となった高校生の数も1万5000人と、壮大な数のデータから分析されたものであることは間違いない。高校生たちに質問調査を実施する際、Mocan氏とTaken氏の2人は調査官に「回答者の容姿をvery attractive(美形)からvery unattractive(ブサイク)までの5段階に格付けするように」と指示したというのだから、これまた失礼な話である。その挙句に「ブサイクは犯罪起こしやすい」って・・・ダメだ、どうも納得いかん。私自身、己の容姿には全く自信がないので、はっきりいって不服である。そこで、犯罪心理学にも詳しい新潟青陵大学の碓井真史教授に話を聞いてみた。

 あの、容姿の美醜と犯罪者になる傾向って、関係性のあるものなんですか?

 「あると思いますよ。今回のアメリカによる研究結果も、納得はできます」

 (ガーン! )・・・そ、それはなぜでしょうか?

 「人間は他者を見るとき、瞬間的に内面を想像してしまう習性があります。これを対人認知と呼ぶのですが、恐らく要因はここから発生しているのではないかと。つまり、容姿の醜い人は外面のマイナスイメージを内面にまで引きずってしまい、そこで既に人生のハンデを負ってしまうわけです」

 な、なるほど。確かにMocan氏とTekin氏の2人も、最後に「ブサイクは美形の人に比べて雇用される確率も稼ぎも少なく、このような境遇が彼らを犯罪に導いているのではないか」と結論付けている。では、それを防ぐにはどうしたらいいのか?

 答えは簡単。他者に好感を与えるような人になればいいのである。顔の配置だけは、整形手術でも受けない限り変えることはできない。しかし、顔の表情は変えることができる。前を向き、堂々と胸を張って笑おうではないか。私は笑うぞ! (安田明洋/verb)