民主党の原口一博議員は2日、衆院予算委員会の総括質問の冒頭、「メールの中身は本物ではない」として、問題のメールで送金を指示したとされるライブドア前社長の堀江貴文容疑者に対して、初めて公式の場で謝罪した。

 原口議員は「どうしてここに至ったかということをつまびらかにし、一刻も早く傷ついた方の名誉を回復する」として、「武部幹事長、そのご二男、ライブドアの元社長の堀江氏、国会のみなさま、国民のみなさま、予算委員会のみなさまにお詫びを申し上げたい」と述べ、初めて堀江容疑者の名前を口に出した。

 送金メールについては、予算委員会でこれを採り上げた民主党の永田寿康議員が2月28日、国会内で行われた記者会見で「多くの人に迷惑をかけ、国会を混乱させた」と謝罪した。同席した鳩山由紀夫幹事長と野田佳彦国対委員長も、この会見で陳謝。鳩山代表は、その後に開かれた両院議員総会で「みなさまと国民のみなさまにお詫び申し上げる」と、この日2度目の謝罪を行った。

 前原誠司代表も「多大なご迷惑をおかけしたことを国民や支持者にお詫びしたい」と、両院総会で頭を下げた。前原代表はその後の会見でも、予算委員会で永田議員から資金供与疑惑を指摘された自民党の武部勤幹事長と同氏の二男に対し、「断定口調で取り上げたことについてお詫びを申し上げる」と陳謝した。同代表は、党のホームページでも、「党代表の私と鳩山幹事長が公開の記者会見で、正式に、国民のみなさま、自民党・武部幹事長と同氏のご二男をはじめ、関係者のみなさまに謝罪をいたしました」と述べている。

 しかし、いずれの場合も、お詫びは「多くの人」「国民のみなさま」「武部幹事長と同氏の二男」や「関係者のみなさま」に対するものであり、弁護士を通じて送金指示を否定した堀江容疑者に対しては、これまでに一片の謝罪もなかった。【了】

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