13日、小学生に夢について語る乙武さん(右後方)。 撮影:徳永裕介)

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スポーツライターなどとして活躍する乙武洋匡さんが13日、東京都新宿区の落合第二小学校の授業に招かれ、将来の夢をテーマに「最後の最後に夢がかなわないとしても、最後までがんばってほしい」と6年生の児童に語りかけた。

 乙武さんを前に、児童らは将来の夢を発表。「子どもを守る警察官になりたい」「獣医になって、いろいろな動物を助けたい」とさまざまな夢が出た。一方で、「なりたい職業があるが、そんなに簡単になれるはずがない。いつもそう考えてしまい、夢が消えていく」「今はまだない」といった声もあった。

 小学生時代は将棋の棋士になりたかったという乙武さんは、「自分は将棋が強くないと気づいてあきらめた。ショックだった。みんなも夢をあきらめなければならない時がくるかも知れない。でも、それまでの努力は絶対に無駄にならない」とアドバイスした。また、「職業の名前ばかりが出たが、どんな人間になりたいかということも考えてほしい。例えば、医者になりたいということは、人の命を救いたいということと同じ」と述べ、いろいろな選択肢があることを紹介。夢がまだない児童には「あせらずにいろいろ経験して、自分の世界を広げてほしい。いつか素敵な夢が見つかる」と励ました。

 乙武さんは現在、新宿区教育委員会で「子どもの生き方パートナー」として非常勤職員を務めている。【了】