最近なにかと話題に上ることが多い東京拘置所。先日初公判から16年目にして、ついに死刑が確定した「幼女連続殺人事件」の宮崎勤被告やオウム事件の松本智津夫被告、一連の逮捕劇で世間を驚愕させたホリエモンこと、ライブドア前社長の堀江貴文容疑者も東京拘置所に収容されている。

 宮崎勤被告に松本智津夫被告・・・両者とも凶悪犯罪に手を染めた人物のはずだけど、どうして「拘置所」に入っているんだろう? なんで「刑務所」に入らないの?

 それは、容疑が確定していないから。そもそも「刑務所」というところは、裁判で有罪が宣告され、自分の刑が決まった人が収監される場所。対して「拘置所」は、まだ刑が確定していない未決囚(=被告人)が収容される場所なのだ。しかし、例外として、拘置所の中にも服役囚がいる場合がある。例えば、移送先がまだ決まっていない服役囚や、ご飯の配膳係など、職員として拘置所内で「お勤め」をする服役囚である。

 このように「刑務所」と「拘置所」の違いは明確にわかるけれども、今度は「拘置所」と「留置所」の違いって、皆さんご存知だろうか? これは管轄場所の違いである。「拘置所」は法務省の矯正局というところが、「留置所」は各警察署が、それぞれ管轄しているのだ。役割的には、「留置所」は「拘置所」の代わりとして活用されており、酔っ払いのおじさんやホームレスなど、「拘置所」以上にバラエティに富んだ人々が収容される。

 ところで最近のニュースを読んでいて気になるのは、拘置所内の環境だ。人によってかなり意見が異なるからである。鈴木宗男衆院議員の話では、「(東京拘置所の独居房は)トイレと洗面所以外なにもなく、食事も質素。とても人間の生活する環境ではない」らしいが、自身のブログで「東京拘置所獄中記」(04年の記述。公道でセグウェイに乗ったということで拘置されていた模様)を発表している神田敏晶さんの記述によると、「退屈で死にそうになるが、ご飯は量も多くアツアツ。空調設備も整っていて新聞も読めるし、北京の安ホテルだと思えばそれなりに快適」らしい。もしや容疑によって、部屋のレベルが異なるの!?

 法務省に問い合わせてみたところ、拘置所内で何か問題を起こした場合は別だが、そのようなレベル格差は全くないそう。新聞も自分で購入することができるので、世間の情報も入手できるのだとか(ただし、自分が関わっている事件の部分などは黒塗りされる)。でもさすがにインターネットは使えないみたい。

 部屋の格差がないはずなのに、個々によって感じ方が違うのは、やっぱり普段の生活環境が影響しているからだろう。贅沢三昧だった人ほど、拘置所生活は過酷ということか。ヒルズ族としてラグジュアリーな生活を送ってきたホリエモンだが、彼は拘置所の生活をどう捉えているのかしら? (遠藤麻衣/verb)

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