10日、都内で05年4−12月期連結業績を発表するソフトバンクの孫社長(撮影:吉川忠行)

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ソフトバンク<9984>の孫正義社長は10日、東京都港区のコンラッド東京で行った決算説明会で、集まった約300人の投資家に対し「最近いろいろな事件があったが、コンプライアンス(法令遵守)について数年前から取り組んでいる」と、ライブドア<4753>との違いを強調した。

 そのうえで、2001年に制定したグループ憲章を昨年12月に改正し、一般の社員が顧問弁護士や社内のコンプライアンス事務局に直接通報できる制度を1月に発足させたことを明らかにした。

 ソフトバンクが10日に発表した05年4−12月期連結業績は、営業損益が279億円の黒字(前年同期は143億円の赤字)となった。ADSL(非対称デジタル加入者線)などブロードバンド事業が黒字転換し、業績に大きく寄与した。売上高は前年同期比44%増の8102億円、経常損益は22億円の赤字(同339億円の赤字)、最終損益は178億円の黒字(同326億円の赤字)だった。

 01年のブロードバンド事業参入以来で初めて売上高、営業損益、最終損益がそろって黒字となったことに、孫社長は「長いトンネルを抜けて、いよいよ春が来たという状況」と感想を語り、「われわれの組織体のモデルを真似している企業もあるが、違いは、ほとんどが圧倒的ナンバー1の集合体であること」と自信を示した。【了】

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