北日本を中心に降り続く大雪。新潟県津南町では5日、降り始めから午後4時までにの積雪が387センチと過去最高を観測するなど、12月から年末年始にかけて各地で記録的な積雪を記録した。雪の影響で、新幹線など列車運休のほか、雪崩や住宅倒壊、雪下ろしによる死亡事故も続発。記録的な大雪は、市民生活に深刻な影響を与えている。

除雪車が足りない

 道路の除雪は、雪の多い地域にとって、市民の足を確保する重要な作業だ。だが、予想以上の大雪で除雪車が足りない自治体も出てきている。秋田県秋田市では、12月の月間降雪量が32年ぶりに更新され226センチを記録した。市が所有する除雪車は43台、民間分は265台で「フル稼働状態」。除雪車が足りず十分な除雪ができないところもある。市役所担当者は「雪の量が昨冬とは全然違う。現時点ですでに昨冬の累計降雪量に近い量の雪が降っている。新しく機械を買うにも予算が必要になってくる」と苦脳していた。

 市民による除雪作業もフル稼働だ。岐阜県郡上市長滝では、降り始めから5日午後4時までに139センチの積雪。屋根に降り積もった雪の重みで家屋がつぶれるのを防ぐため、市民が各自、雪下ろし作業を行っている。だが元日には、雪下ろしの作業中、落ちてきた雪に生き埋めになり、市内の女性(75)が死亡する事故も起きた。会社員の男性(55)は「例年、12月の雪下ろしは3回くらいだが、今年はすでに6回もやった。下ろした雪が2階の窓の下まで来ている。雪下ろしはもうこりごり」と話していた。

雪かきグッズが品切れ続出

 一方、中部地方を中心にホームセンターを展開するカーマ<9951>では、雪かきに使うスコップや竹ぼうきなど除雪用品の売れ行きが好調。暖冬の例年に比べて売上げはアップし、品切れの商品が相次いでいる。同店では「想定外の状況。メーカーにも在庫がない」と思わぬ特需にうれしい悲鳴を上げていた。

「暖冬」予想を一転修正

 気象庁は、11月に発表した3カ月予報(12月─2月)で「暖冬」と予測していたが、相次ぐ寒波の襲来を受け、先月末に「20年ぶりの寒い冬になる」と修正した。同庁は、修正の要因について、「北極の寒気の動きの予測が難しくて、これほど長期化し、記録的な低温になるとは予測できなかった」と説明。最新の情勢では、今月半ばまでは寒気が南下しやすい状況にあるため大雪の可能性があり、警戒を呼び掛けている。ただ、寒気は徐々に緩み、2月には「平年並みか高い程度」になる見込みという。【了】

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