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初詣の準備で大忙し!「寅さん」の葛飾柴又の帝釈天

初詣の準備で大忙し!「寅さん」の葛飾柴又の帝釈天
本堂前には巨大なさい銭箱が完成した。寅さんブームの再来なるか。初詣に備える東京葛飾の柴又・帝釈天で (撮影:穂高健一)
【PJ 2005年12月17日】− 日本人の多くは、ふだん神仏に無関心である。だが、初詣信仰だけは根強いものがある。12月半ばの東京柴又・帝釈天の境内はことのほか閑散としている。しかし、社務所は初詣客の受け入れ準備で忙しい。責任者の林さんは今月初めに、お守り袋を京都の西陣、お守り板を山梨県の製材元に発注した。お札やお守りが初詣客に「品切れ」だとさまにならない。林さんは永年の経験から初詣客を予想し、価格帯別に、やや余分に発注するという。

三が日の天候が悪く、雨や強風となると、参拝者が極度に減ってしまう。となると、大幅に在庫を抱え込むことになる。その点の心配はないのだろうか。「多くのひとは、初詣の寺や神社は決めているもの。天候が悪くて、三が日にこれなくても、次の土曜か日曜か、少なくとも一月中には来てくれる」。お札やお守りは過剰在庫にならないと、林さんは自信のほどをみせた。

 12月7日には、参拝客の安全を期すために、関係者が一堂に集まる「年末・年始の打ち合わせ」が行われた。亀有警察署は第7機動隊をふくめた80人の警備体制、交通規制、迷子・呼び出し方法、金町消防署は火災に備えた消防車の配置、東京電力は夜間停電に備えた自家発電装置の準備、京成電鉄は臨時改札所の設置、などとそれぞれが具体策を発表し、意見交換が行われた。寅さんブームの時と体制はほとんど変わっていないという。

 参道に沿った商店街と消防団では今月の5日に、独自の大掛かりな総合消防訓練を実施した。出火元は商店街の店舗と想定。通報、消火ホースの延長、逃げ遅れた人の救助、けが人の搬送などを手際よく行った。

 消防団の岩崎第三分団長が、団員にこう訓示した。「帝釈天は火事で失ったら、二度と再現できないほど、りっぱなお寺さんである。帝釈天を喪失したら、商店街の自分たちの生活はない」。だれもが真剣な態度で参加していた。

 境内では、川口市安行の米山造園の米山社長が、4人の職人を従えて陣頭指揮に立つ。40年間、帝釈天で初詣の準備の現場作業にたずさわってきた人物である。「この時期は植木職だけでじゃなく、大工仕事でも、大掃除でも、われわれが何でもこなさなければ、お寺さんの準備が行き届きませんからね」。

 12月15日には予定通り、お札所、お焚上げ納所、警察本部や消防本部の詰め所を作り終えた。さらには本堂前に巨大な賽銭箱を完成させた。いまNHKの衛星放送で、寅さんシリーズが全編放映されている。その効果はどの程度見込めるのだろうか。さい銭箱は見たところ、ピーク時の器の大きさと変わらないようだ。

 この先、米山造園は19日に本堂の大掃除。27日には寺門にしめ飾りをつける。その間も毎日、なすべきことは限りなく多い。すす払い、大掃除、庭園の手入れなどなど。大晦日からは米山造園の職人が法被を着て、線香を売る役目を引き受ける。約5000本は売ると意気込む。お焚上げ納所で、参拝者が持参してきた古いお札を受け取る。

 25日からは寺に多くの学僧やアルバイト勢が入ってくる。お札所に立つアルバイトには、事前の教育が必要だ。お札やお守りは授けるもの。お金をもらったら、「ありがとうございました」とは決して言わない。「ご苦労さま」だ。だれが、それを教えるか。打ち合わせのさなか、正月に生中継するTV局から十数人のクルーが現地確認にやってきた。社務所は見るからに戦場の色合いに染まった。【了】
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 穂高 健一【 東京都 】
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