13日、東京都港区の本田技研工業本社で行われた、新型「ASIMO」の発表会の様子。人間と手をつないで歩く「ASIMO」。(撮影:吉川忠行)

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 本田技研工業<7267>は13日、東京都港区の同本社で、2代目にあたる人間型二足歩行ロボット「ASIMO(アシモ)」の新技術を発表した。今回発表された新型「ASIMO」の特徴は「受付案内を自動で行う機能」「ワゴンを使った運搬機能」「走行機能の向上」の3点。ワゴンを押したり、時速6キロで走ったりと、身体能力としては、人間でいう3〜4歳ほどの動きが可能であるという。

 初代「ASIMO」は2000年、小型・軽量化や親しみやすいデザインを特徴とした人間型自律二足歩行ロボットとして発表され、現在は主にエンターテイメントや各種プロモーションの領域で使用されている。今回発表された新技術により、人間の生活空間における使用へと一歩近づいたことになる。

 「受付案内を自動で行う機能」を可能にしたのは、人にあわせて行動する機能などを総合的に判断・実行する統合制御システムの開発だ。新型「ASIMO」は視覚センサー、床面センサー、超音波センサーによって周囲の環境を認識することができる。さらに、IC通信カードによって来客の名前などを判別することができ、会議室などに誘導する際は、人間の歩行速度に合わせることが可能になった。

 特徴のひとつであるスムーズな動きは、関節を従来よりも多い34個にすることで可能になり、ワゴンを使った運搬作業や飲み物の入ったトレイの受け渡しなどができるようになった。また、あらかじめインプットされた言葉を状況に応じて話すこともできる。

 さらに、走行機能の向上は「足を早く動かす」「歩幅を広げる」という課題を克服したことによって、走行速度が従来の時速3キロから6キロまで速まり、旋回半径2.5キロの旋回走行を実現することができたという。

 同社によると、今後は「ASIMO」がつまづいたときにジャンプをして姿勢を立て直すなど、とっさの時の素早い動きを可能にする技術を目指すという。また、中長期的には、状況に応じた総合判断が行えるなどの、知能領域に重点を移した研究開発を推進していきたいという。【了】

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本田技研工業(ASIMOオフィシャルサイト)