さて、ここで質問です。まずは下記のチェックリストの項目を読んでみてください。

□年収が年齢の10倍未満だ
□その日その日を気楽に生きたいと思う
□自分らしく生きるのがよいと思う
□好きなことだけして生きたい
□面倒くさがり、だらしない、出不精
□一人でいるのが好きだ
□地味で目立たない性格だ
□ファッションは自分流である
□食べることが面倒くさいと思うことがある
□お菓子やファーストフードをよく食べる
□一日中家でテレビゲームやインターネットをして過ごすことがよくある
□未婚である(男性で33歳以上、女性で30歳以上の方)
(『下流社会』(三浦展/光文社新書)より抜粋)

 上記のリスト内で半分以上当てはまる項目があったアナタは、かなりの「下流社会」にいる人間なのかもしれません。下流社会とはマーケティング・アナリストである三浦展氏の造語。実は今、この下流社会という世代階層を表す言葉が注目を集めているって知ってた?

 『下流社会』によれば、下流とは「単に所得が低いということではない。コミュニケーション能力、生活能力、働く意欲、学ぶ意欲、消費意欲、つまり総じて人生への意欲が低い」人々のことを指し、「いわゆる団塊ジュニア世代と呼ばれる現在の30代前半を中心とする若い世代に」多く見られる傾向なのだという。

 1億総中流化を目指した高度成長期以降の日本社会だったが、バブル崩壊に始まる不況、そして少子化、高齢化に向かう社会情勢の中で、人々の目指す人生設計のあり方も多様化してきた。現在の日本の若者に、大金持ちや社会的な名声が得られなくても自分らしい生活ができればそれでいい、という価値観が支持されているのも、この下流化が進んでいる背景にあるようだ。書籍などで年収300万円の生き方が注目されているのも、それを裏付ける証拠なのかも。

 本書によると、今後は中流が上流と下流に分かれていき、さらなる社会的格差が生まれていくだろうと予想している。

 若者のニート化やフリーター化の次は、この下流化が若い世代のホットトピックスになる!?(太田健作/verb)



下流社会―新たな階層集団の出現