画像提供:関西国際空港株式会社 施設管理部

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 もしも、自分の尿が寸分違わず鮮やかな放物線を描き、便器にすっきりとおさまったら、スカッとして気持ちいいかも。関西空港の男性用トイレの「小便器」には秘密がある。なんでも「命中〜」と思わず叫んで勢いよく放尿したくなるというから、一体どんなトイレか興味津々。

 昨年9月より、関西空港の一般客向けトイレのうち、556台の小便器の真正面(下から約10cm)に、3cmほどの小さいターゲットマークがつけられたのだ。藍色の三重丸に囲まれた的の中央には、星マークが。さらに中には10という数字とともに矢がささってるイラストがくっきりと・・・。実はこれ、シールなんです。一年たった現在もほぼ張り付いたままで耐久性の良さも抜群! このシールのおかげで『尿こぼれ』が減りトイレが清掃しやすくなったと、清掃員からも絶賛されている。

 このシールがついたそもそものキッカケは、関西空港が昨年で10周年を迎えたこと。10周年にあたり、空港の更なるイメージUPを図るための方法はないかと考えていたところ、このターゲットマークが浮上したとか。

「小便器はどうしてもまわりに尿がこぼれてしまいます。3〜4時間に一度のペースで清掃は入れているのですが、『尿こぼれ』はなかなかなくなりません。衛生面からも何か良い案はないかと編み出されたのがこのターゲットマークつき便器です。マークの中央にある10を、関西空港の10周年と10点満点にかけたりと、遊び心も加えました」(関西国際空港株式会社 施設管理部 栄徳さん)

 ちなみに、的に向かうと狙いたくなるのは人間の固有の心理。目標があるとそれを越えようとする習性は、子どもの時から自然と身についているものと心理学者も指摘する。それにしても、空港での待ち時間でいつもなら慌しく済ますトイレタイムも、こんなエンターテイメント性が組み込まれていたら楽しいですよね。

 「3cmですから、なかには気づかない人もいらっしゃるようですが、小便器の外回りの汚れが減っていることからみても、みなさん狙っていらっしゃるのかもしれません」(同)

 ほほー。このトイレは女人禁制、男性だけのお楽しみ。あなたも関西空港にお出かけの際は、このターゲットマークトイレに立ち寄って、的を狙ってみてはいかがです?(押木真弓/verb)