新たな戦没者追悼施設のあり方について検討する超党派の議員連盟「国立追悼施設を考える会」の発起人会が28日昼、国会内で行われ、呼びかけ人の自民党の山崎拓前副総裁、公明党の冬柴鉄三、民主党の鳩山由紀夫両幹事長ら、3党から発起人14人が初めて集まった。山崎氏を会長とする役員人事を固め、発起人が手分して3党から100人程度の入会者を募ることなど、運営方針について確認した。設立総会は11月9日に内定し、福田康夫官房長官(当時)の私的諮問機関が2002年12月にまとめた国立追悼施設建設の必要性を示す提言をもとに、勉強会を行うとしている。

 同発起人会には、福田氏のほか、公明党の神崎武法代表、自民党の加藤紘一氏ら有力議員も顔をそろえた。福田氏からは、無宗教施設であることや、靖国神社に代わる施設ではなく両立できるものであることを確認する発言があったという。

 山崎氏は、会議終了後に会見し、「世論がかなり分かれており、非常にデリケートな問題なので、強引に進める趣旨のものではない」として、深い議論を行っていく方針を強調した。同氏は25日、小泉純一郎首相に同議連設立を伝えたとこ ろ「静かに深く考えておられた」(山崎氏)という。会見に同席した鳩山氏は、民主党の前原誠司代表の参加について「参加しようという思いで、趣旨には賛同している。発起人に名を連ねることは遠慮すると聞いている」と話した。

◆「国立追悼施設を考える会」の発起人は次のとおり。

自民党:山崎拓(会長) 加藤紘一 額賀福志郎 大島理森 福田康夫 渡海紀三郎 竹山裕

公明党:神崎武法 草川昭三 冬柴鉄三(副会長) 太田昭宏 東順治 井上義久

民主党:鳩山由紀夫(副会長) 仙谷由人 末松義規 江田五月 輿石東 平岡秀夫【了】