26日、東京都内のホテルで記者会見し、TBS株買い増しについて説明する楽天の三木谷浩史社長。(撮影:吉川忠行)

写真拡大

東京放送(TBS)<9401>株を大量取得して経営統合を提案している楽天<4755>の三木谷浩史社長は26日夕、東京都港区の東京プリンスホテル・パークタワーで会見し、TBS株を買い増し、保有比率は19.09%(3627万900株)になったと発表した。 今回の買い増しに要したのは230億円としており、TBS株19.09%を合計1110億円で取得したことになる。

 三木谷社長は、同社がTBSに提案した共同持株会社化が株主価値向上につながることを再度示し、「統合提案を成就するためには相互の株主の賛成が必要になる。15よりは19の方が統合できる可能性が高まる」と買い増しの理由を説明した。統合提案に慎重なTBSが買い増ししないよう求めていることについては「市場性があるものなのに、どうして買い増ししてはいけないのか、正直言って僕にはわからない」と述べた。また、「まじめに事業提携するために、持株会社の提案をしているので、グリーンメーラーなど濫用的買収者には当たらない」と同社の立場を明らかにした。

 会見での三木谷社長は、13日の大量取得発表以降にメディアで報じられた批判や疑問点を弁明するような形で、自らのスピーチを行った。統合でメディアの公共性が損なわれるとの懸念については「公共性を増すことで、収益も増す。しっかりと議論して、向上させていく」と強調。「世帯普及率100%の影響力を持つテレビはすごいし、僕も大好き。テレビ関係者には、ネットとの融合が脅威ではなく、機会と捉(とら)えて積極的に利用してもらいたい」と友好的な協議を呼びかけた。

 今後の買い増しの可能性については「取得に関する質問はマーケットに影響するので一切答えない」(国重惇史副社長)とコメントを控えたが、否定はしなかった。【了】

■関連記事
三木谷社長「資本市場のルールで」
楽天、TBS株19.09%取得
楽天、今夕会見で買い増し発表へ

■関連リンク
TBS