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「憲法」は大事だ。されど現実は…。

【PJ 2005年10月02日】− やや遅れて「『憲法9条の会つくば』設立のつどい」の会場に向かう途中、右翼団体の街宣車とすれ違った時「会場あたりで街宣活動でもやっているのか」と一瞬警戒した。つくば国際会議場近くの道路には警戒中の茨城県警機動隊員が立っており、警察車両が街宣車ににらみを効かせていた。

 会場に着き、受け付けの係員に話を聞いたら「右翼を警戒して、警察に警備をお願いしているんです」という。会場前では街宣車の姿は警察の警備のお陰でいなかったが、護憲への風当たりの強さを感じた。だが「改憲」を推し進めるのはなにも特定の政党や政治結社だけではない。一般の人々の中からも「改憲」志向へとなびいている人が出てきている。

 ジャーナリストの斉藤貴男氏は講演の中で「つくば駅から会場に向かうタクシーで運転手と話したとき、『今日何かあるんですか?』『9条の会です』『9条?』『憲法9条の会です』『憲法9条ねえ…、でも北朝鮮がいるから…』という話になりました」と、一般の人々の間にも改憲志向が広まっているエピソードを語った。残念ながら「護憲」という言葉にかつてのような力はない。

 それどころかインターネット掲示板などでは、護憲運動も含めて市民運動に携わる市民を「プロ市民」という蔑称で呼んでいる。「プロ市民」という言葉の響きには「恵まれた連中が、護憲だの人権だの言いやがってムカツク」というニュアンスがこめられているように感じる。

 たしかに労働組合に加入している労働者は今では少数派となり、パート・アルバイト、派遣社員、業務請負社員は加入できない。フリーターが増えている現在、正社員で組合に加入し、労働者の権利を主張する人間は「特権階級」と見なされているのだろう。そこには社会的弱者が権力者に立ち向かうのではなく、さらに立場の弱い人々に牙を向ける光景を垣間見る。

 しかし社会的弱者が弱者を叩いても、何も生み出しはしない。そのことに一部「ネット住民」はそろそろ気がつくべきではないだろうか。ぜひ彼らこそ斉藤氏の著書「機会不平等」「平和と平等をあきらめない」を読んで欲しい。「マンガ嫌韓流」などを読んでマイノリティー差別の妄想をたぎらせている場合ではない。

 「人が人を見下すことが日常化しなければ、戦争はできない。不平等が拡大した階層社会と、自国を疑うことのない愛国心が整ったとき、戦争は遠くないだろう」(斉藤貴男著「平和と平等をあきらめない」より)の一文を贈りたい。【了】
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 崎山 勝功【 茨城県 】
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