米国南東部を襲った大型ハリケーン「カトリーナ」被害に対する巨額な損害保険金の支払いで、英国の老舗保険組合ロイズが苦境に立たされている。英フィナンシャルタイムズ紙によると、米信用格付け大手スタンダード&プアーズ(S&P)は13日、カトリーナ関連の保険金の支払いで、ロイズを構成する保険引受けシンジケートのうち、62のシンジケートは破綻に直面する可能性があると警告した。

  同紙によると、保険金の負担額は、まだ明らかになっていないが、S&Pのアナリストは、エネルギー関連プロジェクトや船舶など海上保険以外の保険を引き受けているシンジケートが、特に巨額な損害を受ける見込みという。また、S&Pはロイズ全体に継続的な影響を与えることはないとしたものの、ロイズの格付けを引き下げることを検討していることを明らかにした。

  また、英格付け会社フィッチは、カトリーナの被害総額が最大で600億ドル(約66兆円)に達し、米国史上最大の保険の損害額となるとの予測を公表し、米損保のオールステート保険やステートファーム・ミューチュアル、モンペリエ・リーなどを格下げの方向でレーティングウォッチリストに掲載している。ロイズはリスクを独自に引き受ける通常の保険会社ではなく、保険を引き受ける数百のシンジケートで構成されている保険組合。【了】