【ファンキー通信】日本一ハードルが高い面接

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 「景気は上向きみたいだけど実際問題、まだまだ就職難だよね・・・」と、就職活動中の学生さんは思っていることだろう。がしかし、採用する企業側としては、自分たちが採りたいと思っているような人材が市場にほとんどいない、というのが正直な意見。「就職難」ではなくて、「採用難」という状況なのだ。

 確かに「説明会→エントリーシート→面接」という通常の採用コースでは、学生も本来の自分を出しきれないのかもしれない。「ならば壮絶体験をしてもらって本当の自分を出してもらおうじゃないか!」ということで、とんでもないド根性採用を行った会社がある。

 インターネットの通信販売サイトを運営しているイマージュ・ネット(本社・東京)が、07年春入社の社員採用面接を富士山の山頂で行ったのだ。標高3776m、日本一高い山の上で面接って・・・あまりに突拍子すぎでしょ!? 

 「学生のやる気が一目瞭然にわかると思いまして・・・。ばかげた企画にも真剣に取り組むような、何事に対しても全力投球できる人材を求めていたので、このような採用を企画しました」(採用関係者)。

 一番はじめの説明会希望者が4000名、そこから2000名に絞込み、「富士山面接」について通知すると、志望者は約50名程度に激減したという。

 さらに当日は台風12号に見舞われ、悪天候などを理由に辞退者続出。結局登山に望んだのは21名だった。

 「高山病や体調不良で途中リタイアした学生もいたので、登りきったのは15名ほどでした。でもリタイアした学生にも別に、採用の機会を設けました」(同関係者)。

 4000名が15名まで絞り込まれるとは(約250分の1)、本物の「やる気」が問われる採用である。

 「富士山面接」は第1次の面接だったので、現在も採用試験は続いている。

 「ぜひ入社してもらいたい学生は、だいたい決まっていますから、近いうちに内定を出したいとは思っています」(同関係者)。

 もちろんその目ぼしい学生さんは、ガッツリ富士山面接に参加していたのだとか。(文/verb)