16日午前に宮城県沖で発生、最大震度6弱を記録した地震で、総務省消防庁によると、東北6県と埼玉県で重傷3人を含む計39人が負傷した。秋田、山形、東北新幹線も運転を見合わせるなど交通機関が乱れ、駅は帰省ラッシュの家族連れらでごった返した。土砂崩れも各地で発生、国道などの通行止めが相次いだ。

 宮城県警などによると、同県仙台市泉区のスポーツ施設「スポパーク松森」では、プールの天井が落下し、子どもを含む計17人が軽傷。蔵王町では、渓流釣りに来ていた7歳の男児が落石で頭にけがをした。東松島市の民家では、玄関脇の壁が崩れ、66歳の女性が右腕を折るなどの重傷を負った。仙台市では、清掃工場のプールでも天井が崩落したが、けが人はいない模様。

 岩手県総合防災室によると、北上市のパチンコ店で、男性3人の頭に落下物が当たり軽いけが。釜石市では、自宅から逃げようとした女性が転倒し、左足を折る重傷を負った。福島県県民安全領域災害対策グループによると、福島市で72歳の男性が、灯籠(とうろう)が倒れて右足を骨折した。新地町では、76歳の女性が逃げる際に転び腕を骨折した。

 総務省消防庁によると、家屋損壊は一部破損も含め計181棟。福島県では136件だった。

 JR東日本によると、午後4時55分現在、秋田新幹線は全線で運転を見合わせている。山形新幹線は終日運転を見合わせる。東北新幹線はなすの246号が3時間45分遅れでJR郡山駅を発車したが、その他の列車は運転を見合わせている。

 在来線では、仙山線、仙石線、石巻線、気仙沼線、陸羽東線が全線で運転を見合わせ中。東北本線は黒磯−一関間、奥羽本線は福島─秋田間、陸羽西線は新庄─余目 間、磐越西線は郡山─山都間、磐 越東線は郡山─いわき間、水郡線は郡山─水戸間で 運転を見合わせている。左沢線と米坂線は全線で運転を再開した。

 東北電力によると、地震発生直後、宮城、福島両県で最大 約1万9200戸が停電したが、午後4時時現在、宮城県の約3800戸以外で復旧した。また、宮城県牡鹿郡の女川(おながわ)原子力発電所が自動停止したが、環境への放射能の影響はないという。仙台市の新仙台火力発電所2号機は手動停止した。

 NTTドコモは、地震発生直後から、東北地方の発着信規制をしていたが、午後2時47分までに解除した。NTT東日本も宮城県、岩手県、福島県への通話を規制していたが、同2時20分に解除した。【了】