多くの学校で夏休みが始まって最初の週末となった23日、東京都内で13年ぶりに震度5以上となった地震が、家族連れや買い物客らでにぎわう首都圏の繁華街や観光地をおそった。

 地震直後の午後6時ごろ、東京・早稲田から明治神宮外苑、六本木方面を結び、東京都心の南北を抜ける外苑東通りでは、交通手段の停滞で新宿などターミナル駅から都心部へ歩く人たちが、普段人通りの少ない歩道で列を作った。

 同通り沿いで、いつもはすぐつかまるタクシーも、ほとんどが「貸走」や「予約」と表示され、全くつかまらない状態。新宿駅と品川駅を結ぶバスも、“寿司詰め"状態で、各バス停では満員のため乗車を断られて、うなだれる市民の姿も見られた。

 新宿のデパートで買い物している最中に地震にあい、同通りを歩いていた千葉県浦安市在住の50代の主婦は、「新宿では電車が止まってしまっていた。早く帰って夕飯の支度をしたいので、四ッ谷まで行けば何とかなると思って歩いている」と話した。

 午後5時半ごろ、渋谷と東京郊外の住宅地の吉祥寺を結ぶ京王井の頭線でも、運行されていたものの、ダイヤが乱れていた。JRと乗り入れる東京都武蔵野市の吉祥寺駅では午後5時半ごろ、 構内に人があふれ、運行状況を聞こうと大勢の人が改札の窓口の駅員の言葉に耳を傾けていた。

 午後6時すぎ、渋谷駅前のバス停でもたくさんの人が列を作り、携帯電話で「このまま電車が動かなかったら、ホテルに泊まらなくては」などと話す姿も見られた。

 東京都内では地震の影響で、JRの東海道新幹線や山手線が一時全線不通、地下鉄の東京メトロも全線が運転再開されるまで、発生から約4時間かかった。【了】