日本初公開となる「とんがり君と四天王」をバックに作品のメッセージを語る村上隆さん(左)と佐藤江梨子さん(撮影:辻勝明)

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世界的に活躍する現代美術家、村上隆さんの代表的な彫刻作品「とんがり君と四天王」が22日から東京都港区の六本木ヒルズの毛利庭園で特別展示されるのに先立ち、21日、同所でプレス公開があった。村上さんは「とんがり君は、ハスの上の現代版『輪廻転生』。ヒルズに展示できてハッピー」と日本初公開となる作品への思いを語った。展示は9月25日まで。

 村上さんは、東京芸大で日本画科博士号を取得。ニューヨークに渡り、アートと漫画文化を融合させた世界を表現、アニメーションを題材にした作品や等身大フィギュアなどを制作している。最近では、ルイ・ヴィトンとのコラボレーションでバッグを発表。六本木ヒルズのイメージキャラクター「ロクロク星人」の作者でもある。

「とんがり君」は、仏教とアステカ文明からインスピレーションを得たという作品で、観音像をイメージさせる愛嬌のある風貌。高さ7メートルで計18本の腕を持ち、色はとんがり君の四方に配された小さな四天王と合わせて400色を使用した。2003年9月にニューヨークのロックフェラーセンターで展示され、好評を博した村上さん最大の彫刻作品。毛利庭園の池の中に展示され、今回は、唇を少しとがらすなど細部に変更を加えた最新バージョンを披露する。

 プレス公開セレモニーは午後5時から開始。森ビルの森稔社長のあいさつの後、村上さんが「池に520株のハスを設置するなど、自然と融合した展示は複雑で大変だった。作品が大きくて日本ではなかなか展示するチャンスがなかったが、(とんがり君は)細部まで作りこんだ作品で自信作」と述べた。

 セレモニーには、“実写版”アニメ・フィギュア「サトエリKo2ちゃん」で村上さんとコラボレーションしたタレントの佐藤江梨子さんも駆けつけ、「作品はどこか胎児的であったり、アートと自然、生と死が融合していて感動した」と感想を語った。

 その後、イルミネーション点灯式があり、池の中のハスの花を模したライト50基が“六本木のご本尊”を照らし出した。ライトアップは午後6時から同11時まで。【了】

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