「21世紀は洋上風力の時代が始まると確信している」と話す足利工業大学の牛山泉教授(撮影:徳永裕介)

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風力発電施設の導入促進を目指す「港湾・沿岸域における風力発電推進シンポジウム」が19日、横浜市のパシフィコ横浜であった。足利工業大学総合研究センター長の牛山泉教授が講演し「日本の洋上風力発電は、港湾・沿岸域から本格的洋上風力発電へと省庁横断的に推進する必要がある」と訴えた。

 シンポジウムは、港湾・沿岸域における風力発電推進研究会、沿岸技術研究センターが主催し、今回が初めての開催。国土交通省港湾局、経済産業省資源エネルギー庁などが後援し、港湾や建設会社の関係者ら約400人が参加した。

 牛山教授によると、主要国の風力発電導入比率のトップはドイツで、日本は第10位。平坦な地形が多いヨーロッパに比べて、日本は複雑な地形が多いため、風が乱れがちになり、また輸送や据付条件などが厳しいという。一方、洋上は障害物がないため風が乱れず、近くに人が住んでいないため騒音も問題にならず、大規模な風車を設置できるメリットがある。教授は「21世紀は洋上風力の時代が始まると確信している。日本には3万キロの海岸線があるのだから、これを使わない手はない」と話した。

 会場からは「洋上の発電設備の維持管理は大変だと思うが、海外ではどうしているのか」といった質問が出された。教授は「海が荒れてもいいように、タワーの内側に1週間ほど留まれるようになっている施設もある」と答えていた。【了】