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ライブドアはPJのスポンサー!?

ライブドアはPJのスポンサー!?
ソウルのコリアハウスでの世界市民フォーラム最終日のパーティに用意された氷細工(撮影:三國裕史)
【PJ 2005年06月28日】− 6月の23日から26日までの4日間、韓国のソウルでオーマイニュース主催の世界市民記者フォーラムにライブドアのPJとして招待を受け、参加してきた。既に現地から4本の記事を連日投稿してきたが、イベントのスケジュールがかなりタイトだったため、会期中に感じたことをまとめて、独自路線で市民参加型ジャーナリズムを追求するライブドアPJのためのヒントを探ってみる。

 世界市民記者フォーラムの最終日は「コリアハウス(韓国の家)」の中庭を貸しきって、韓国観光公社主催によるパーティが開かれた。今回のフォーラムに参加して感じたことは「政治」だ。オーマイニュースが盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の当選に一役買った、というのは有名な話だが、それにしても、政治色が強すぎる。毎日登場するVIPには舌を巻く。ソウル市長に、情報通信部長官、政府観光公社社長と、日本で同じフォーラムを開くならば、石原東京都知事だけでなく、麻生総務大臣にも来てもらわなくてはならない。日本のインターネット新聞社がこれだけの人を呼ぶのは難しい。今のライブドアだって無理だろう。

 さらに、フォーラムには一流企業のスポンサーが並ぶ。サムスン、SK、LGといった財閥をメインに、総合通信会社KTやアシアナ航空など国内の大企業6社に政府観光局がスポンサーを引き受けている。韓国文化海外普及会の代表を務めるシン・イルチュルさんが言うように、このフォーラムを終えて、一番メリットがあったのは何よりオーマイニュース自体なのだ。世界25ヶ国の先進的な市民記者からも支持されているオーマイニュース、と政府高官らや政治家たちは思うに違いない。

 オーマイニュース国際部の記者カン・ジウンさんによれば、オーマイニュースの記事には最高で2万件ものコメントがつくことがあるという。実名記事に対して、登録してある会員のコメントは上位、無記名の非会員のコメントは下位に表示されるそうだが、コメント一番乗りを競う読者もいるほどの熱狂ぶりだ。

 もちろん、最初からこれほどまでにアクセスがあったわけではない。通訳ボランティアのソンさんによれば、今となっては韓国人のうち、5人に1人は知っているというオーマイニュースではあるが、最初は政治に強い関心を持つ一部の政治オタクらによってネットで広まっていったという。金大中大統領時代に、政治に不満を持っていた人が記事をオーマイニュースに投稿すると、それが掲載され「私もそんな記事ならば書きたい!」と市民記者が増えていったそうだ。そして、国民が固有のIDナンバーを持っている韓国では、実名の照会がしやすく、実名記事であることは記事の説得力に大きな影響を与え、アクセスをさらに増やした要因だという。

 市民記者から記事を受け付けるオーマイニュースのオ・ヨンホ代表の計算された演出も成功の秘訣と言えよう。既に5億円程度の年商があるオーマイニュース、事務所も社長も地味なのだ。日本のITベンチャーに5億円の年商があれば、坪3万円程度のオフィスを構えて、社長がBMWくらい乗り回しても誰も文句は言わないだろう。しかし、オ代表にはそういうところがない。事務所は古い雑居ビルだし、身なりにも派手さも感じられない。もちろん、ジャーナリストを専攻した生粋の記者としての崇高な理念が根底にあるのは言うまでもない。派手で儲かっている会社ならば、市民記者はそんな会社のために安い報酬で記事を書き続けてはくれないだろう。

 オーマイニュースの地味な演出と比較すると、ライブドアは逆に派手だ。PJとして、社会をより良くしていこう、という崇高な理念を持っている人がいないとは言わないが、今の平和な日本で政治的無関心な市民に安い報酬でどれだけ記事を書いてもらうかというのは大きな課題だろう。儲かっている会社からそのおこぼれに預かろうと思う人だっているかも知れない。また、ライブドアの田端ニュースチーム長がフォーラムで発表したように、2ちゃんねるとブログはもちろん、タウン・ミーティングなどでも既にガス抜きが終わっている日本人が反骨精神を維持して、市民記者を続けるというのはなかなか難しいだろう。

 堀江社長の言葉足らずなメディアへの言動からその真意を計りかねているプロのジャーナリストも多いようだが、ライブドアという会社をこの市民参加型ジャーナリズム活動に対するスポンサーだと思えば、オーマイニュースを模倣するのではなく、新しいかたちを模索していくライブドアPJの独自路線も理解しやすいのではないだろうか。

 何よりオーマイニュースになくて、ライブドアにあるものはポータルとしてのアクセス数。こればかりは、一日にして成るものではない。これはオーマイニュースを模倣したJanJanが欲しくてもなかなか得られないものだ。そして、PJたちはこの今まで体験したことのないアクセス数による反響に戸惑いながらも、緊張感を持って記事を書き続け、慣れていくしかないのだ。【了】
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 國分 裕之【 神奈川県 】
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