社員旅行や健康診断、スキルアップのための教育支援など、会社によって福利厚生制度は様々だが、おそらく「失恋休暇制度」を取り入れている会社は他にないだろう。

 その会社、マーケティングリサーチを主務とするヒメアンドカンパニー(東京・港)は2ヶ月前、求人広告を作成する際に「なにか自社らしい魅力でアピールできないか?」と考えた。そして出た答えが、「失恋したら会社を休んでも良い」、この制度だという。というのも、同社はヒメクラブ(http://www.himeclub.com/)なる、F1層(20〜34歳の女性)をターゲットとしたファッションやグルメ情報を扱うサイトを運営する、女性のための会社だからだ。もちろん社員もすべて女性。従業員7人ほどのベンチャー企業だ。

「ベンチャーだからこそお給料ではなく、働きがいを提供したいんです。今回のような福利厚生システムを『面白い!』と感じてくれる方をターゲットにする意味も込めて、この制度を作りました」と語るのは社長の平舘美木さん。ヒメたちと話し合い、彼女たちから「失恋すると心はぼろぼろ。泣いて目は真っ赤。会社に行くのもつらい」と聞き、「失恋休暇制度」を思いついた。しかも「年を取るほど失恋のダメージは深い」ため、20代前半は1日、同後半は2日、30代は3日と年齢に応じ休暇を増やした。現在、幸い(?)にも「失恋休暇制度」を利用した社員はまだいない。

 そんな同社にこの度、男性が入社したという。しかも既婚者だ。だが「表向き、既婚者は『失恋』しないのでこの制度は適応されません(笑)」という。女性らしさを武器にし、女性ならではのパワーで時代を切り開いていく彼女たち。次の目標は「ヒメクラブが馬主となり、競走馬『ホリエモン』を打ち負かす!」ことだとか。(文/verb)