おそろいの赤いネクタイを披露する(左から)ストリンガー次期会長、中鉢同社長、井原同副社長(撮影:吉川忠行)
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新経営体制への移行を発表したソニー<6758>は7日午後、退任する出井伸之会長兼グループ最高経営責任者(CEO)(67)と安藤国威社長(63)、後任となるハワード・ストリンガー副会長兼最高執行責任者(COO)(63)と中鉢良治副社長(57)が、東京・品川でそろって会見を行った。

 ストリンガー次期会長は、「ソニーは60年代にすばらしい発展を遂げたが、いつまでもそれにとらわれていてはいけない。『新戦略』、『新しい焦点』という言葉だけでも十分ではない。顧客のニーズや期待も、競争環境もイノベーションの速度も変わっている。ソニーも時代の変化に歩調を合わせていかなくてはいけない」と挨拶した。新しい体制について「新役員がみな赤いネクタイをしていることも偶然。良い兆しだと思う」とユーモアで会場をわかせた。


会見で「非常にハッピーな気持ち」と語る出井会長(撮影:吉川忠行)
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 出井会長は、ストリンガー次期会長を「グローバルで自由闊達(かったつ)な企業群を引き受けてもらうにはふさわしい人」と紹介、「ハワードはカルロス・ゴーン氏(日産自動車社長兼CEO)に次ぐ外国人CEOとして活躍を」と期待を表した。

 中鉢次期社長については「彼は『表の商品力、裏のオペレーション力』という言葉をよく使う。ソニーを裏からからずっと見てきた人で、立派なビジネスマン」と評価した。また、下馬評の高かったソニー執行役副社長兼最高執行責任者(COO)の久多良木健氏を抜き、中鉢良治副社長を選んだ理由を記者から聞かれ、「中鉢氏の長所は良い聞き手であること」とさらりとかわした。

 出井氏は退任の心境について「ちょっぴりさびいしい気もするが、それ以上に次世代のページをめくったさわやかさの方が今は大きい。非常にハッピーな気持ち」と語った。

 新体制は、6月22日の株主総会での承認後に移行する予定だが、「運用上は新年度が始まる4月から始動」(出井氏)する。【了】