1日のリーグ・アン第30節で、同じく2部降格の危機に立つスダンと対戦して敗れたナント。昨年12月には、切り札として一時現役を引退したバルテズを復帰させ、起死回生を図った。ところがシーズン終盤に来て、そのバルテズの失点で最下位に転落、加えて彼の行動がクラブに混乱をもたらしている。

 バルテズはスダン戦で、凡ミスにより得点を許した。その10分後に交代し、試合終了を待たずに自分の車でスタジアムを後にしている。表向きは、試合序盤で痛めた太腿の治療のため、という理由だった。ところが、デル・ザカリアン監督は試合の翌日、「バルテズはケガをしていない。試合中の帰宅はケガが原因ではない」とラジオのインタビューで答え、波紋を呼んだ。

 翌3日にはナントのルシヨン会長が“火消し”に現われた。会長は、バルテズが「たしかにケガをしており」、その治療のために「帰宅すると説明を受けた」と語っている。バルテズが自分に腹を立て、帰宅はその怒りを鎮めるためでもあったことは認めたが、「“バルテズ事件”などない」と強調している。