紙が無かった。トイレットペーパーが。瞬時に、買い置きが部屋に一切無いことを思い出し、若かりし筆者は「えっ……。」と固まってしまった。あの時の胸の底が抜けるような思いを、今でもありありと蘇らせることができる。あれは意気揚々と一人暮らしを始めて暫く経った頃のこと。「トイレットペーパーなんて、自分が買わなくたっていつでも家にあるもの」という、強い思い込みの先で遭った悲劇。「あー消耗品ってホントに消耗する