あれから─20年の歳月が流れた。日本を代表する天才女優・太地喜和子が、突然の水難事故によって、48年の生涯を終えた日から。その豪放な女優は恋に生き、酒を愛し、芝居に命を燃やした。事故であるにもかかわらず、どこか〈殉死〉と思わせるのはなぜだろうか─。自殺した田宮二郎の顔にキス〈やはり、喜和子も女優として役に魅入られてしまったのか‥‥〉フジテレビのプロデューサーだった小林俊一は、太地喜和子の突然の訃報