石川県の西部、昔の加賀国は、日本の仏教史上重要な地だ。日本で唯一仏教徒(浄土真宗)が国を支配し、1世紀にわたって“王国”を築いていたのだ。金沢市内には、今も寺院が420か寺もある。そしてその多くが、お寺の形はしているがシンプルで小さな地味寺だ。写真のお寺は円証寺(真宗大谷派)。金沢市の中央、石引にある。切妻の屋根に桟瓦葺き。簡略な形だ。市内にはこの規模の寺が実に多い。これは、加賀が真宗によって統治され