原子力は何よりも大量破壊技術であり、それを日本に売り込んで冷戦の橋頭堡とすることは、アメリカの世界戦略にとってきわめて重要だった。しかし被爆国である日本には「核アレルギー」が強く、原子力を持ち込むことは非常に困難だった。この対立を利用して原子力利権を生み出したのが、正力松太郎である。以前の記事では本書の電波利権の部分を紹介したが、原子力利権の部分も興味深い。アメリカが日本に原子力を売り込む上で、正