去る11月5日、作家の村上龍氏がG2010という会社を立ち上げた。設立趣意書では、“○○会社”という表現はとっていないが、内容を読むと電子書籍の制作・配信会社のようだ。7月に『歌うクジラ』をiPadで発行した村上氏。5月に『死ねばいいのに』電子版を発刊した京極夏彦氏よりも気合いが入っていたようすだったので驚くことでもない。それよりもむしろ個人的に感慨深い。というのも私は彼のデビュー作『限りなく透明に近いブルー