あるとき突然、親の遺品と向き合うことになったら――。本紙連載小説「ひこばえ」で主人公は、家族と別れてひとり暮らしていた父の死を知らされ、亡き父の部屋を訪れる。作者の重松清さんが、ある遺品整理の現場を訪れた。玄関のドアを開ける。手をあわせて、室内に入る。50代の男性がひとりで暮らしていたという福岡県内のマンションの一室。くつしたやシャツといった洗濯物はピンチハンガーにぶらさがったまま。リビング