長野・エムウェーブでの練習の帰りだった。バンクーバー五輪を1シーズン後に控えた2008年12月。駐車場を歩きながら、小平奈緒が少しおどけて切り出した。「朝日新聞で雇ってください。このままじゃ、ニートスケーターで……」小平は当時、信州大教育学部4年。将来は「先生になってスケートの楽しさを伝えたい」という夢はあったが、師事する結城匡啓(まさひろ)コーチのもとで、まだ競技を続けたかった。だが、4年