郵政大臣田中角栄は違法ストライキをやった全逓信労働組合(全逓)幹部の厳正処分、時の郵政省最大の懸案だった全国から開局を熱望するテレビ予備免許の決定など、まさに後年の「決断と実行」の政治姿勢を見せつけた。しかし、その一方で持ち前の“稚気”ぶりもいかんなく発揮した。稚気とはいわばチャメッ気であり、これは社会で立派な「男の武器」になる。いくら仕事ができても、人物が固い、暗いでは、周囲の人気は沸かない。