子どもにとって母親とは、自分を生み育ててくれた人なので、自分が大人になっても大切にしたい存在のはずです。
 しかし親もひとりの人間、完全な存在ではありません。子どもをいつまでも支配したり、虐げてきた母親もいます。
 その典型的な例が、モラルハラスメントをする母親、つまり「モラ母」です。
 「モラ母」は、子どもを思い通りにしたいという気持ちから、一般的なしつけとは一線を画すような、常軌を逸した暴言や暴力を子どもに向け、「支配する母親」とも呼ばれます。
 「モラ母」は、子どもに愛情をかけるより、子どもを支配しようとします。
 子供が大人になって自立すれば、その支配から逃れられるように思えますが、問題はそれほど単純ではありません。幼少時からこうした母親と接してきたことによって、愛情を知らずに、被支配的な人格に成長してしまい、大人になってからでも、対人関係やコミュニケーションなどの面で苦労してしまうケースがあるのです。
 今回は、『母を棄ててもいいですか? 支配する母親、縛られる娘』(熊谷早智子著/講談社刊)より、特に娘を支配する典型的な「モラ母」の特徴を紹介し、そこからの克服方法をさぐります。

■汚い言葉で怒鳴る、ののしる
 モラ母の大きな特徴として、子どもが自分の思い通りにならないと、すぐに大声で怒鳴ったり、子どもが一番気にしていることや、傷つく言葉を言ったり、汚い言葉でののしったりします。
 また、会社を辞めた子どもに対して「あんた、怠けたくて会社を辞めたんじゃないの?」と言ったり、子どもにプレッシャーをかける発言も目立ちます。
■理不尽な怒り
 モラ母はその時の気分で子どもを叱ります。そして、感情を吐き出す時は我慢しません。子どものしたことと母親の怒りに因果関係がないため、子どもはいつ怒られるかという予測ができません。その結果、安心できる時間がなくなり、自分のすべては母親の気分で決まると感じるようになってしまう可能性もあります。
■きょうだい間であからさまな差別
 きょうだいの扱いをあからさまに変えるのもモラ母によくある行動です。
 優遇される方は「長男だから」「家を継いでもらうから」といった理由でひいきし、冷遇される方は「おまえはダメだからダメなのだ」といわれ続けます。
■自分の虚栄心を押しつける
 モラ母にありがちな傾向として、社会的ステータスや世間の評判の高さにおもねる価値観を持っている、というのがあります。もちろん、これはどんな人にもある程度当てはまることなのでしょうが、モラ母においては特に顕著なようです。
 こういう人は虚栄心が強く、たとえば子どもが学校でいい成績を取ったり、有名な企業に入ったりすると自分のことのように自慢することが多いようです。

 モラ母は、自分自身がかかえる不満を子供にぶつけ、子育ては子供を支配することになっています。これは子供に愛情をかけることではありません。むしろこの母親自身が愛情をかけてもらった経験が薄く、自分を被害者や犠牲者だと認識しているからです。
 しかし子供はなぜ、母親が自分になぜ辛くあたるのかがわからず、母親の愛情を得ようとして、従属的な生き方をします。このまま子供がまともな愛情を知らずに大人になったときに、相変わらず続くモラ母からの支配が、子供をいつまでも自立させずに苦しめるのです。
 なかには自分の子どもに、自分がされたのと同じように接してしまうという例もあるそうです。愛情の欠落が、世代間で繰り返されてしまうからです。
 『母を棄ててもいいですか? 支配する母親、縛られる娘』には、上記に挙げたようなモラ母との関係を絶つ、つまり娘が母を「棄てる」ことで母への従属を脱し、新たに成長していこうという例が、何例も描かれています。
 
 母親との関係がうまく行っていないような人で、今回紹介した内容に心当たりがあるようでしたら、何が本当の原因だったのか、この本を手がかりに「モラ母」の可能性を疑ってみるのがいいかもしれません。
(新刊JP編集部)


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