大韓航空機爆破事件の実行犯、金賢姫元北朝鮮工作員が22日、長野県軽井沢町の鳩山由紀夫前首相の別荘を車で出発し、都内に移動した。その後、東京都内のホテルへ向かう途中、東京都の調布飛行場からヘリコプターに搭乗し、江東区にある東京ヘリポートに着陸した。

 わずか約30キロの移動に際し、ヘリコプターを使用したことについて「遊覧飛行と取られかねない」と、野党をはじめ各方面から非難の声が上がっている。これに対し、仙谷由人官房長官は「都心の交通の混雑を避けるためだ」と語っている。

 金元工作員は前日、横田めぐみさんの両親に会い、具体的な時期は覚えていないが、北朝鮮にいた時に「一度だけめぐみさんに会った」と説明したが、新たな情報は得られなかった。

 韓国のメディアも「金賢姫、高価な遊覧飛行」と題し、日本を訪問中の金元工作員が、22日の午前に長野県軽井沢の別荘を離れ、搭乗する際にかかる費用が1時間で約100万円もするヘリコプターに乗り、東京や横浜などを遊覧したと報じている。

 また昨年の11月に金元工作員は「横田めぐみ氏の両親に直接会って知っていることをすべて伝えたい」と話したが、これは事実上、根拠がないものだったと指摘。今回の金元工作員の日本滞在は、にぎやかなショーのように映った。中井拉致問題担当相が演出した「金賢姫ショー」は興行的に成功したようだと揶揄(やゆ)するメディアもみられた。

 同日には夕食会が開催され、この席上で中井拉致問題担当相は、金元工作員の子どものためにゲーム機、ゲームソフト、筆箱などをプレゼントしたという。金元工作員は23日午後、韓国に帰国する予定。(編集担当:李信恵・山口幸治)



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