1994年に公開されたリュック・ベッソン監督の映画『レオン』。ジャン・レノ演じる孤独な殺し屋のレオンと、家族をギャングに殺された少女マチルダが心を通わせていくというストーリー。当時13歳だったナタリー・ポートマンがマチルダを演じ、ヒットした。

最近のインタビューで『レオン』について語ったナタリー。街でファンに会うと、その多くの人が彼女がオスカーを獲得した『ブラックスワン』やハリウッドの超大作『スター・ウォーズ』ではなく『レオン』の感想を話すと明かしている。「観客が作品とつながりを持てるのはとても嬉しいこと。それにあの作品は私にキャリアをくれたし、出演は100%ポジティブな経験だった。あの映画を撮るのは楽しかった」とナタリー。「でも今見るとあの作品はとても不適切。現代の視点で見ると褒められない部分がたくさんある」。

『レオン』の作られた25年前に比べて、性的虐待や児童搾取に対して敏感になった現代。今の感覚で見ると、親を殺された10代の少女を中年男が保護するという設定からして少女の弱みを利用していて不適切だと物議を醸しそう。ナタリー曰く「みんな今でもあの作品に感動しているし、作品を大切にしている。だから個人的にはポジティブな気持ちしか持っていないし、誇りに思っている。それはわかっているのだけれど、自分の子どもにはどう見せたらいいのかわからない」。インタビュアーに「リメイクできると思う?」と聞かれるとナタリーの答えは「思わない」。

ナタリー曰く「かつては受け入れられたことでも、今はもう受け入れられないことがたくさんあるわ。かつて読んだ子ども用の本で『それは言ってはいけないことよ!』と思うものもある」。かつてのヒット作のリメイクやリブートがブームになっているハリウッドだけれど『レオン』がリメイクされる可能性は低いかも。

text: Yoko Nagasaka