国会改革に取り組む小泉進次郎衆議院議員がテレビ朝日の直撃インタビューに応じ、民間企業では当たり前の「ペーパーレス」が進まない国会の事情、その背景にある「抵抗勢力」について明かした。

ーーそもそもペーパーレスに取り組もうと思ったきっかけは?

小泉:きっかけの一つは、やっぱり役所の業務負担の大きさもありましたよね。これだけ働き方改革を言っている政治と霞が関、官僚の世界が一番働き方改革が必要な世界なんですよ。特に官僚の皆さんが苦労しているのが国会対応と、自民党の会議の運営の負担もあるんです。

 農林部会長を辞めた後も農業関係の会議を責任もってやってましたから、少なくとも自分の中で出来ることから始めようと思って、役所のみんなに、自民党の会議の前日にどんな準備をやってるのか教えてと話して、全部出してもらったんです。それがこの紙なんですけど、これ見るとね、ビックリしますよ。ちょっと見てください。

 自民党の役員会でもこれを配ったんですけど、なんと自民党の会議の前夜、資料の印刷作業、多い場合は500部。前日の深夜まで行う場合があると。色んな資料をまとめて一つの封筒に入れるまで合わせていく作業なんですけど、面白かったですね。農水省の中で卓球台を広げてその上で5人から10人の職員がやってるとかね。我々国会議員が当たり前にやってる会議の裏側で、これだけ役所に発生している負担があるんですよ。これを軽くしませんかということをやって、役所の皆さんにペーパーレスをやった後「どれぐらい変わったんですか」と聞いたら、今までは深夜とか、中には徹夜だったのに、夜の8時に帰れましたということを言ってくれて、良かったねと。それでも8時までかかるんだねと思いましたけど。

ーーなぜ進んでこなかったのか?さらに自民党でも改革をしていってどのような抵抗があったとお考えですか?

小泉:まず、なぜ進まなかったのかというと、今まで通りやりたい人が圧倒的に多いからじゃないですか。日本って色んな所でそうですけど、本当に困らなかったら変わらないですよね。で、その裏側に負担が発生していたり、もっとお互いにとってもより幸せな働き方があるはずなのに、今まで通りにやることが目的化している人って結構多いんですよ。そこも大きな壁だと思います。

ーー慣習が改革のネックになっていた。それを変えようとした時にそれが抵抗勢力になった?

小泉:なりましたね。驚いたのは、ペーパーレスをやろうとした時に言われた意見で最も衝撃を受けたのは、「そんなことをしたら政治家の秘書の仕事がなくなっちゃじゃないか」と言われたんです。分かんないですよね、意味が。つまり自民党の会議で使われた資料を、秘書が届けに行ったりするのも仕事の一つだと思うんです。紙が配られなくなったらそれが出来なくなっちゃうじゃないかっていう批判の声が届いたんですね。驚きましたね。それが仕事だと思っているんだったら、なくなってもいいだろとも思ったし、むしろ他に汗かいてもらうべき仕事があるんじゃないですか、と。

 今、国会改革の中でもなんでペーパーレスという小さなことをやるんだっていう批判の声は、僕にも届いてます。僕は小さいと思ってませんけど、なんでそんな小さいことも今まで出来なかったんですかって言いたいですよ。大きな国会改革の本丸の部分を動かすためには、どんなに小さいことでもいいから、与野党がともにより良い議会の在り方に向けて、確かな一歩を積み上げたという成功体験を作らなかったら、大きな改革まで絶対行かないと思います。それを、その小さな一歩を築くためには与野党が損得ないところにいかなきゃいけない。それがペーパーレスだったんですね。

ーー内閣不信任案の印刷で時間を稼ぐなど、野党側の武器としてそうしたものを使うという指摘もあるが?

小泉:正直言って、野党が武器としてそれを有効だと見ているのであれば、まずはそれを武器のまま残せばいいと思ってます。印刷時間に2時間。それを持っているということが国会の戦略上必要だというのであれば、仮にペーパーレスにしても実際に2時間空ければいいじゃないかと。とにかく、出来ない出来ないといって動かないんじゃなくて、出来るところからひとつでも前に進めていくということを考えた時に、知恵の出しようはいくらでもあると思うんですね。

 実はあまり報道されてないんですけど、2018年の通常国会でも動いたペーパーレスというのがあるんです。その部分は当時の衆議院の古屋(圭司)議院運営委員長の決断もあったんですが、法改正とか、規則改正が必要のない部分のペーパーレスを実行してくれた訳ですね。それはすごく大きな一歩だったと思いました。

ーーペーパーレスに関しては国会での対立は無いとお考えなのか?あるとすればどこなのか?

小泉:一つは議会の権威というものに対する考え方と、ペーパーレスという合理化が衝突する部分をどのように理解を得て乗り越えていくかもあると思います。このペーパーレスを進めていくうえで、権威が大切だと言っている方の思いも分かるんです。全ての国会の権威的なところを排除して、儀式的なところを全部やめろと言ってるんじゃ無いんです。それはすごく大切なことで、そこは合理的ではないところが集中しているのが権威的なところでもあるけれども、そこを守りながらやっていく部分と、その権威を守っても実現できる、より良い議会の形というのが必ずバランスとして見出すことが出来ると思うので、それはこれからですね。

 まず超党派の会が出来たことの意義がすごく大きくて、超党派の会で「平成のうちに」ということをうたわなかったら、まず自民党の中でこの国会改革に対するプロジェクトチームも立ち上がることもなかった。立憲民主党は超党派の会に参加してないですけど、独自の国会改革の提言を出しましたよね。先週は国民民主党が提言を出した。色んな新聞も時には特集を組んだり、テレビでもこうやってテレ朝の皆さんが取り上げてくれる。今年のあの動きが無かったら絶対なかったことですよ。だから間違いなく気運は高まっているし、平成のうちにと啖呵切ったわけですから、その平成のうちに少しでも前に進むように、関係者の皆さんの理解を得なければいけないなと思います。

 絶対できる、というよりもできっこないことに挑むのは、チャレンジングでいいじゃないですか。本当にこれが大事だと思ってますから、一歩でも形になるように頑張ります。

ーーペーパーレスと言いながら、手元に紙が沢山あるが?

小泉:これね、ペーパーレスを進めるために様々議論したペーパー(笑)。ホントそこズレてるね。これ変えなきゃね。そうなんですよね。小さなところからね、大きなところまでいきますよ。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。


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