菅義偉官房長官による「携帯電話の料金は4割下げられる」との発言が話題を呼ぶ中、29日、NTTドコモの小林和則災害対策室長は、「コストをかなり意識しており無駄なことはしていないが、災害対策に終わりはない。何も考えずに、もしお金をかけなければ使える機材が足りなくなることはあり得る」と語った。

NTTドコモの小林災害対策室長

 小林氏によれば、ドコモのネットワーク運用を担当するスタッフは全員で400名。交代で日夜、設備の保守・運用にあたり、何かしらアクシデントが発生すれば遠隔で対処、災害発生時にも力を尽くしている。

基地局車

 東日本大震災の際には、未曾有の規模での災害とあって、それまでの準備でカバーしきれず、少なくないエリアで携帯電話が使えなくなり、完全復旧まで2カ月弱かかった。その後、NTTドコモでは200億円を投じて、基地局の停電対策(バッテリー、発電機の充実)、一部基地局の災害時における対応エリアの拡大(大ゾーン基地局、中ゾーン基地局)などを実現してきた。

 災害対策は、ネットワーク設備の拡充と表裏一体であり、災害対策だけを切り出して費用を算出することは難しい。小林氏は「設備・設計の方針は、無駄なく効率的に実施しており、シビアに見ているつもり。(コストの)削減というよりも効率化。たとえば今後、5G時代に向けて設備の増強も考えられるが、それにあわせて人を増やすのではなく、たとえばAIによる故障予兆の検知などで効率化できる」とコメント。災害対策を継続することが重要と説明していた。

ドコモの災害対策3原則

東日本大震災での復旧状況

一時停止した基地局の原因。当時は電力と伝送路が大きな要因だった