ベトナムの首都ハノイで今月6日、40歳の自称歌手の男が20歳女性を殺害した容疑で逮捕された。この男は薬物を使用し女性に悪霊が取り憑いているという幻覚に襲われ、悪霊退治と称して彼女の口内に33片ものニンニクを無理やり詰め込んだという。それにより女性は窒息死してしまった。

ベトナムのニュースサイト『TuoiTreNews』によると、“チャウ・ヴェト・クウォン(Chau Viet Cuong)”名義で歌手活動を行っていたものの世間的には無名であった男グエン・ヴェト・クウォン(Nguyen Viet Cuong)は、ハノイのバーディン地区にある友人宅で5日未明、20歳の女性フェンさん(Huyen)や他2人と共に薬物を使用していた。

その際に引き起こされた幻覚作用によってフェンさんに悪霊が取り憑いていると思い込んだクウォンは、数時間後に外出すると大量のニンニクを購入。“悪霊払い”と称してそれを家の周囲に撒き散らした。さらにフェンさんの口の中にニンニクを詰め込むという蛮行に出た。

フェンさんを押さえつけて口の中にニンニクを無理やり詰め込むクウォンの様子に、他の2人は異変を感じて止めようとしたという。だが薬物の影響で両者とも何もすることができず、その間にフェンさんの身体は動かなくなってしまった。後にフェンさんの遺体は司法解剖されたが、気管から33片ものニンニクが見つかったため、窒息死であると断定された。

事件発覚後、クウォンは薬物使用及び殺人容疑で逮捕されたが、薬物使用による捜査やフェンさんのさらに詳しい死因解明のため現在は身柄を拘束されている。なお今後の裁判で、クウォンには懲役30年の判決が言い渡される可能性があるもようだ。

画像は『TuoiTreNews 2018年3月6日付「Vietnamese singer detained over girl’s death after ‘exorcism’」(Photo: Tuoi Tre)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 椎名智深)